完全型と不完全型

脊髄損傷の症状は損傷を受けた部位によって異なることは先ほど説明しましたが、損傷の度合いによっても変わり、これも大きく2種類に分類されます。1つは「完全型(完全損傷)」と呼ばれるもので、脊髄が横断するように離断し、中枢神経の伝達機能が完全に断たれた状態を表します

この場合、損傷部位より下は脳からの支配を失うため、脳の運動指令は届かず、全く動かすことができなくなります。また、逆に脳に感覚情報を伝えることもできないので、感覚や知覚も失われます。といっても何も感じないわけではなく、損傷部位の痛みは感じたり、実際には足は伸びているのに場がっているように感じる、といったことはあります。完全型における例では、先述の腰部(L)での損傷が完全型であった場合、両足は自力で動かすことができなくなるうえ、何かに触れたり、触られたりしても何も感じられなくなります。

もう1つは「不完全型(不完全損傷)」と呼ばれるもので、脊髄の一部が損傷や圧迫を受け、中枢神経に損傷はあるが、伝達機能は完全には失われていない状態を表します。例えば、手や足を自分で動かすことはできなくとも、触られる感触はあるといった状態です。この場合、完全型では難しい感覚の復活や自力で動かなかった部位を動かせるようになる可能性もあります。